モテの病


 モテない。だからモテたい。痛烈にモテたい。「同性にモテる男は女性にもモテる」という言葉が事実ならば男にもモテたい。結論としては女性にモテたい。これまで、全くモテなかったわけではない。わけではないが、「アラ、なんだって美男子だごどぉ」などと言いながら腕をバシバシひっぱたいてくるような年代、もしくは、サロンパス臭を漂わせつつ湿気ったせんべいを「食べっせ」と無理矢理握らせてくるような年代になら、モテてはいた。

 無意識とはいえ、これまでずっと間違ったマーケティング戦略を展開していたのかと思うと、すこぶる口惜しい。これからは若い世代にシフトチェンジする。そしてその上で患いたい。モテの病を患いたい。長引かせてこじらせて年がら年中モテてたい。「持病のモテが」とか言ってみたい。いや、言う。言えるようにする。だから、なんだってやる。これからのオレは、モテるためだったらなんだってやる。なんだって、オレ、なんだってやるよ!

 とにかく、モテるためにあらゆる努力をする。そして、その努力を存分に見せつける。そう、ポイントはここにある。誰も挨拶をしない会社で「おはよう」と声を掛けてもまったく反応がない。「暑苦しいことしやがって」「空気の読めない奴め」などと陰口が聞こえる。それでもめげずに毎日毎日全員へ挨拶をし続ける。するとどうだろう。その努力に心を打たれた人々が徐々に挨拶を返すようになるのだ。そして皆、彼に向かって言うだろう。「おはようをありがとう」って。

 努力をする人間の美しさ。そういった例にならい「モテ」の努力によって女性の心を打ちたい。打ち震わせたい。繰り返しになるけれど、なんだってやる。モテるためだったらなんだってやる。例えば、smartとかstreet JackとかPOPEYEとかLEONとかSPA!とかを欠かさず読みたいし、おしゃれパーマをあてたりしたいし、眉も細く整えたいし、いい匂いのする液体を手首に擦り込んだりしたいし、「これください!」ってディスプレイを指差してライトオンスタッフおすすめのコーディネートをそっくりそのまま買い入れたいし、ちょっとキザなセリフも言ったりしたいし、のべつまくなし「今日もかわいいね」って褒めたりしたいし、モテ薬があるなら飲みたいし、モテフェロモンが出る薬を飲みたいし、透明人間になれる薬も飲みたいし、ホレ薬を気になるあの子に飲ませたいし。

モテの病” への2件のコメント

  1. 呼びました?
    いえ、もてないって聞いたもんで。

    おばあちゃんと子供にはある程度もてても、ストライクゾーンの年齢にはケもない。

    まあ、今更良いですけどね(涙)。今晩泣きながら一杯やります。

  2. >ほりまささん
    ストライクゾーンを巧みにかわす、ある意味、魔球だとも言えなくもないですよね。かわいく泣いたらモテるかなあ。母性本能くすぐれるかなあ。

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