眼前3センチの、真実。


 
 当時、中学生だった私は、その言葉の正確な意味こそ把握していなかったものの、それが「いかがわしい」言葉であるということは承知していた。だからこそ、家族団らん真っただ中のブラウン管にその言葉見つけるたび、一人でぎこちなく俯いていたのだった。

 しかし不思議なことに、(というより、雰囲気を考えればむしろ当然のことながら)家族の大人たち誰一人として、その「いかがわしい」言葉について指摘するものはなかったし、中学生という、性的な話題に過剰な反応を示す「ビンカン」な年頃にあっても、その疑問について言及する友人は皆無であった。

 これはきっと、私の勘違いなのだ。
 でなければ、ゴールデンタイムの地上波に乗せてよい言葉だとは到底思えなかった。そう、これは私の勘違いなのだ。きっと、本当は、まったく別の意味を持つ言葉なのだ。無知、無知無知。ああ、無知無知。無知無知プリン。口に出さなくて本当に良かった。得意げに友人へ語ろうとしていた自分に、取り返しのつかない危なっかしさを覚え、脊髄がすうっと上から下に、素早く冷えた。

 それからは、その言葉をブラウン管に見つけても顔を上げていられるようになった。しかしである、しかしながら、である。(番組名も放映時間帯も忘れてしまったが)とあるバラエティ番組で、いまは現役を退いている上岡龍太郎が、その「いかがわしい」言葉に私が感じていた疑問について、そのままズバリ言及していたのである。

「美人局アナ大集合! って番組あるけど、あれ、どー見ても『つつもたせアナ』やないかい。しかも、大集合て! どんな番組やねん」

 再び、脊髄を冷たいものが走った。今度は下から上に。やっぱり私は、間違っていなかったのだ。そう思うのと同時に、その、眼前3センチでアフリカ象を見るような、「あまりにも近すぎて何がなんだか分からない」ような、あっけらかんとした自覚のない手抜かりに、得も言われぬ恐ろしさを感じたのだった。

 考えてみれば、スポーツ選手という「男」をバックボーンに、入社早々、退職金をむしり取って結婚するなどといった、質の悪さでは本職の美人局を凌ぐ女子アナの存在を鑑みれば、「美人局アナ」という言葉も、あながち間違いではないのかもしれない。

 長井秀和。彼のおかげで、懐かしい記憶が蘇ってきたことに感謝したい。あと、上岡龍太郎には現役復帰をお願いしたい。

眼前3センチの、真実。」への7件のフィードバック

  1. 二十歳過ぎまで”美人局”なんて読めなかったかも。
    あれ?もっと遅かったかな。ちゅうぼうの頃の女子アナって誰?
    幸田シャーミンとかだっけ?

    女子アナと数多く結婚するプロ野球選手なんて、オフ以外ほとんど自宅にいないわけじゃない。自分がフリーになるための踏み台じゃないの。

    っていうか、その頃なら夕方から放送してた吉田照美司会の

    番組冒頭から、「夕やけモッコリ!」なんて言ってた番組のインパクトが強いな。

  2. >J.Sky
    あのころ、うーん、誰だろうなー。男なら俵孝太郎とか?
    幸田シャーミンかあ、今なら滝川クリステルか。
    単に名前がカタカナつながりだけど。

    あー、あの番組ね、あんまし見れたことないんだよなあ。
    ド田舎だから、ちゃんと放送してたかどうかも怪しいし。
    ちゅうことで、youtubeで検索したら結構あんのね!
    見てみよー。

  3. どおも~~~~
    >美人局アナ
    なるほど確かに区切り方によっては「つつ・・・・」になりますね。
    でもまあ似たようなもんっちゃあ似たような・・・(以下自粛)。

    上岡氏は探偵ナイトスクープとEXTVだけ復活して今のぬる~いぐだぐだのお笑い番組に喝を入れて欲しい。
    特にむ~でぃ~勝山?あれはお笑いなのでしょうか?

  4. >ほりまささん
    そうそうそう!
    探偵ナイトスクープとEXTV。
    上岡龍太郎みたいな、ビシッと一刀両断発言が出来るタレントが
    いないですからね。wikiで彼のことを調べたら、なんか、
    いろいろとやってますね(笑)

  5. 上岡龍太郎、一日だけの舞台復帰

    上岡さんが引退したとき非常に残念だったんですよね。聡明でインテリなところが好きで、出演されていた深夜番組なんか昔よく見ていました。最近テレビで見かけたのは横山ノックさんのお別れ会の映像。涙を流して挨拶をされていたのが印象的でした。一日限りの復帰ではなく、完全復帰したらいいのになと思います…

  6. アフリカよりアジアの方が穏やか

    ロシアの首都モスクワにある動物園で10日、アフリカゾウが鼻で女性調教師(40)を殴り殺すという事件が発生した。調教師は、アフリカゾウ3頭をスペインの動物園に移送するためトラックに乗せようとしていた際、神経の高ぶった1頭から鼻で一撃を受けた。モス…

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