ライバルはガチャピン


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「必見! みんなの人気者・ガチャピンにインタビュー」
という見出しをYahoo!のトップページで見つけた。内容的には、ガチャピンのブログが本になったのだ、買ってね。という宣伝のためのインタビューで要するに茶番なのだが、そんな子供じみた揚げ足取りはせず、ガチャピンのことを着ぐるみではなく内臓のぎっしり詰まった一人前の有機生命体として捉えて読んでみることにする。

 ブログは夏休みの日記として始めたけど楽しいので続いている。パソコンはスタッフの人に教えてもらった。指が大きいから3つのキーを押しちゃう。ブログを更新するコツ。失敗してもあきらめない。いろんなことに挑戦したい。等々インタビューはそこそこに普通なものだったのだが、どうしても素直に読み飛ばせないくだりがあった。引用してみる。

――ガチャピンのブログを見て、ムックはどんな感想を言ってた?

「ほとんどは、“ほ~”“へ~”“ひぇ~” みたいなことしか言わないんだよね。でも、ムックのことを書いた日は、“ガチャピン、なんであんなこと書くんですかー!”とか “もっといいこと書いてくださいよ~”とかって言われるよ」

 出川哲朗が何かに対して懇願する姿をムックに重ねる。そして、感想には「ほ~」とか「ひぇ~」といった馬鹿のような発言しかしないことを知る。ムックはそんなにも“ろくでもない”キャラだったのか。もうひとつ引用してみよう。

――ムックもときどき書いているよね。ムックのブログはなぜないの?

「ムックはぼくが日記を書いているのを、たまにうらやましそうに見ていることがあるんだ。“ムックも書く?”って聞くと、いつも“いえいえ、毎日は書けませんから遠慮しておきます” って言うんだよね。毎日は書きたくないけど、ときどきは書きたいのかな? だって『ガチャピン日記』のふろく『ムック日記』を書いているときも、とても楽しそうだったしね」

 以前から思っていたのだがムックは不憫だ。ひとことで言えば扱いが雑。その切なさはコンビ芸人の売れてない方よりも深い。なんとかしてやって欲しい。頭にプロペラ付けてだらしなく口を開けた赤茶の毛むくじゃらをなんとかしてやって欲しい。なぜ日陰ばかりを歩かせる。いいのか?ムック。頑張れムック。立ち上がるんだムック。

 そうか、そうだったのか。いま気づいた。僕のムックに対する不憫という感情。それは無意識のうち彼を自分自身に重ね合わせていたからなのだ。ムックは僕だ。無口で不器用で出川。ガチャピンのように器用には生きられない。ムックは僕なのだ。

 ガチャピンへのコンプレックスと、ムックへのシンパシー。これは僕にとって大きな発見である。2007年、この現実を受け止めて僕は歩いてゆく。頭にプロペラを付けて、だらしなく口を開け、毛むくじゃらの姿で、日なたへ向かって僕は歩いてゆくのだ。

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ライバルはガチャピン」への5件のフィードバック

  1. しかも、ムックはあんな色をしているのに雪男らしいんですよね。雪山で真っ先に発見されて淘汰されてしまいそうな赤い雪男に乾杯したい気持ちでいっぱいです。

  2. >テロメアさん
     イエティなんですよね。
     視線もどこを向いてるのか分からないし、何を考えてるのかも
     想像できません。口に手を入れられてるし。

  3. どもっ!!
    多分私はガチャピンとムックに会うことがあったら言ってしまうでしょう。

    「お仕事ご苦労様です」と。

    子供の心を忘れた嫌な大人だなぁ(汗)。

  4. >ほりまささん
     「暑いなかご苦労様です」とかね。
     口の中にガリガリ君突っ込んで「冷たいうちにどうぞ」
     とか言ってバカヤロウ!ダンカンこのやろう。

  5. ガチャピンじゃないよ(怒)

    ん? デカPどうしたんだ?かなり今日はご機嫌ナナメな様子です。↓↓おらが、こいつに似てるって、ぬいぐるみ友達のピーちゃんに言われたんだおらは、デカPだぞ!ガチャピンじゃないよぉ・・色も似てない・・ppと怒っておりました。今日はデカPは……

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