どうしてもサンダルが必要になったので、オシャレでキッチュでニューカマーなアイテムをゲットできて、且つサブカル気分に浸れることで有名なヴィレッジヴァンガードへ買いに出かけた。相変わらず「もうどうにでもして~」な店内の混沌さに否が応でも胸が高鳴る。程なくオシャレサンダルを発見したものの、残念ながらXSしか在庫がないとのこと。足の大きくない私と言えど、いくらなんでも小さすぎるということで渋々諦めた。
キョロキョロと店内を7周くらい見て回ってから店を出ると、2階にスポーツ用品店を発見。もしかしたらスポーツシューズとかの並びに「ノリ」で置いてあるかも。というなんとも心細い推測で入店してみると店内がやたらと広い。「だだっ広い」という表現がしっくりくるほど横長にバカっ広い。ダメだ。一歩も動けない。迂闊に移動しては無駄足を踏むことになるだろう。やむなく店員を呼び止めて尋ねた。
「ちょっとしたサンダルありますか?」
自分でもおかしな言い回しだとは思ったが、これは、「似合わなくて値の張る商品を押しつけられるのではないか」という店員に対する怯えにより、動揺してしまった故のセリフある。普段は、店員の接近を察知し事前回避するのが常であるため、今回のように慣れないことをするとこのような間違いが起きる。
では、このセリフのどこがおかしいのか。
それは「サンダル」というアイテム自体が、それだけですでに「ちょっとした」ものだからだ。ちなみに、ここで言う「ちょっとした」は「補助的な」や「おまけ的な」と同等の意味を有している。つまり「ちょっとしたサンダル」という言葉には、意味の重複現象が発生しているのだ。
同様の組み合わせとしては、『ちょっとしたお通し』『ちょっとしたおしんこ』『ちょっとしたワンドリンク無料』など居酒屋系のものから、『ちょっとしたカロリーメイト』『ちょっとしたソイジョイ』『ちょっとしたスニッカーズ』など小腹を満たす役割を持つ食品が挙げられる。その他の分野については各自、ランチタイムをまるまる費やし考えてみてほしい。
さて、「ちょっとしたサンダルありますか?」と尋ねられ、わずかに表情を曇らせた店員さんが案内してくれたのは、子供用サンダルコーナーであった。ヴィレッジヴァンガードのXSサイズといい、この店といい、私はアレか、中国雑技団か。雑技団の団員か。きっちきちのサイズを履いて細い棒の上を渡り歩いたり、誰かの肩の上でバランス取ったりとか、そういうイメージか。なんだよ。なんなんだよ。あ、あれ? もしかして私自身がそういう雰囲気を発してるとか? うそ、うそうそ、発してないよね、発しているわけないよね? ね、ねねね、お願いお願い、お願いだからジョークだって言ってよ、ねえ、ちょっとしたジョークだって言ってよ!
おあとがよろしいようなよろしくないようなかんじで。
ヴィレッジヴァンガード
http://www.village-v.co.jp/index.php
「ちょっとした」を「小さい」ととられましたかね。
でも「ちょっとした」って大体良い意味でとりますけどね。
「ちょっとしたプレゼント」
「ちょっとした食事」
ん???その店員「ちょっとどんぶり」の用法を活用した・・・・訳ないですね。
>ほりまささん
そこなんです。「ちょっとしたアイデア」と言えば、「かなりの」的な意味なんですけど、「ちょっとした感情の行き違い」だと「ささいな」的な意味ですもんね。ややこしいよ日本語はよお!(笑)
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%A4%C1%A4%E7%A4%C3%A4%C8%A4%B7%A4%BF&kind=jn&mode=0&kwassist=0