言いっ放し文例集


湯上がりは親でも惚れる。なんていうけど親が惚れたらダメじゃん。チョメチョメじゃん。そういうときは独身。ドクシン男子に惚れさせてあげてよ。惚れて惚れて惚れ抜くよ惚れヌきたいよカッチカチ! なんてことを書いたあと『こんなサイテーなブログだけどブックマークからもアンテナからも外さないでね!』的なお茶目フォローを付加、茶濁してきたわけだけど、このブログ読んでる人は全員サイテーだからぜんぜん意味なかったな。なかったんだな。なかったんだな。んだな、んだんだ、そうだ、おにぎりが、ほ、ほしいんだな。くださいだんな、だんな、あっ、おくさんが。あ、おくさん、あっ、おくさんおくさん八百屋ですおくさんおくさんおくさんおくさーん、つるむらさき安いのあるよ。(M)

愛あるウェーブ


まさか、とは思うけど買ってないですから。買うとか買わないとかの問題以前にどんな資金繰りを試みたって、ていうか、ちょとしたお年玉程度の賃金しか授与されていない人間に金銭を貸与してくれる酔狂な機関などそもそものハナシあるわけもないのでプリウスなんて買ってないし年末ジャンボも当たってない。ついでに言うならはなから年末ジャンボなんか買ってさえもいない。買いそびれた。で、なんでこんな言い訳してるのかとゆうと、や、なんとなく、なんとなくそういう感じが、「あいつプリウス買いやがった」とか「貧乏くさい記事しか書けないくせに?」とか「富裕層が貧民のフリして下世話なこと書いてやがったのか」とか「ていうか金髪ゴムメガネって何?」といったチクチクしたウェーブが、憎悪にも似たそんなウェーブが光ファイバーに乗って光よりも速いスピードでボクの家に音もなく侵入、液晶ディスプレイの青白いバックライトに乗り込んで顔面をまんべんなく放射。ボクは、顔面の痛みに耐えながら「あ、なんか憎まれてる。インターネット経由で憎しみの的になっている」という事実を感じ取ったからなのであって、そんな顔面のヒリヒリに耐えながらボクは「憎しみなんてもうたくさんだ。愛、愛、愛でいいじゃない、愛がいい、もう愛だけしかいらない。だけど、愛はオカズにならないんだよね。逆に、逆に言えばだよ? エロビデオに対してボクら、つまりAV女優に対してボクら愛がないから、本当の愛じゃないから、だからこそヌけるんだよね」って思ったんだ。あのさ、このあとボク、膨大なライブラリーのなかからひとつだけ選んで、愛のない世界に没頭したいと思ってるんだ。だからあの、すごく言いづらいんだけど、帰ってくれないかな。ごめん、うん、じゃ、また電話する。

明るい未来は強い子が


 「犬のフンはお持ち帰り下さい」
 日本全国どこへ行っても目にする看板です。都市部などでは昔から存在していたのかもしれませんが、私の住む東北の片田舎にまで進出するようになったのは割と最近で、それまでといえば道端のそこかしこに犬のフンが存在していて、どういうわけか人糞が鎮座していることさえありました。私を含む当時の小学生たちは、月に一度はフンを踏んづけ、その度ごとに、コンクリートのエッジでこそぎ、雑草になすりつけ、アスファルトへと足を引きずり、水たまりですすぐなどして靴裏の異物を撤去し、万が一現場を目撃されようものなら「バリヤ」を張られ、次の誰かが踏むまでは「バイキン」としての日々を送らなければならなかったのです。このように、少し前までの小学生は、道端のテロと戦い、かつ、不名誉による疎外感を味わうなど、幼いながらも汚辱のキャリアを積んできたわけです。

 それがどうでしょう。全面アスファルト舗装、街灯完備、フンお持ち帰りの看板設置など、今や通学路は無菌状態です。果たしてこれは本当に良いことなのでしょうか。少なくとも犬のフンを踏まなくなったことに関しては、子供たちが逆境に立ち向かうための、その力を養う機会を失ってしまった。そのようには言えないでしょうか? フンを踏んできた私たちは強いはずです、いえ、強くなきゃ困るんです。あの、悲痛と失望の日々が無意味だったとはどうしても思いたくはないんです。踏まれて強くなるのが雑草ならば、踏んで強くなるのが子供なのではないでしょうか。私はそう思います。

 極論を承知で言わせていただけば、いじめ。集団とは、常に誰かを排除し続けなければならない不思議な生き物です。これまでは、フンを踏んだという大っぴらな理由で、その彼(彼女)を一時的に集団から排除してきたわけですが、逆にそれが集団としての息抜きとなり、現在のような陰湿ないじめへの発展を防いできたのではないか。そのように思うんです。

 ですから私は提案したい。「犬のフンは持ち帰らないで下さい」と。心の強い子供を育み、陰湿ないじめへの発展を阻止する意味でも、散歩には手ぶらで出掛けて頂きたい。子供たちの未来のためにもなるたけたくさんフンを踏ませ、悲しませ、落胆させ、強靱な精神力を養うべきです。もう一度言います、「犬のフンは持ち帰らないで下さい」。これが私の掲げる第一のマニフェストです。どうですかみなさん、みなさんのチカラで、地方から元気になって行こうではありませんか。明るい未来のために、強い子供たちを、この私と共に育てて行こうではないですか。

 それではまあ、時間も迫って来たようですので、えー、みなさん、本日は足元の悪いなか私の言葉に耳を傾けていただき、大変感謝しております。ぜひ今日の話をですね、ご家族に、ご家族が集まる晩ご飯のときにでも構いません、今日はこれこれこういう話を聞いたよ、とお話いただいて、意見を交わしていただいて、明日の投票日にはですね、明日の投票日には、ぜひ私に、この私に清き一票、清き一票を、どうか、どうかよろしくお願い致します。清き一票をどうかよろしくお願い致します!