業務連絡006 休日のドライブ


 
Subject:[業務連絡]休日のドライブ
To:安達専務
Fm:栗田ゆうこ

専務、おはようございます。栗田です。
お忙しいところ申し訳ありませんが、
掲題の件につきましてご報告させていただきます。

***

目覚めると、
天気の良い日曜日でしたので、
ドライブに出掛けたくなりました。

主人は乗り気ではないようでしたが、
お昼ご飯は吉野屋の並にしましょうね、
と提案すると、
しぶしぶ顔で口元をゆるませました。

士郎はホラ、例の、究極のアレの担当ですから、
美味しいものには、めっぽう弱いの。うふふ。

さあ、出発進行~!!
って、ちょっと待って、士郎!
あそこに立ってるのお巡りさんじゃない?

police01

士郎、免許証持ってる?
シートベルトしてるわよね?
昨日のお酒は残ってない?
ね、ね、だいじょうぶ???
って、あれ?

 
police02

なあんだ、人形じゃないの、
まったくびっくりさせないでほしいわ。
でも、なんだか・・・、

薄気味悪いわ。
police03

あの目は一体、
何を捉えているのかしら?

え? なに?
アタマアタマ・・・って、士郎、
どうしてそんなに取り乱しているの?

きゃあ!
後頭部が、後頭部が・・・
police04

吹っ飛んでるじゃない!
police05

何をばんそうこう貼ってるのよ、鼻に。
やんちゃ感を出したいの?
まったくもう、
そこじゃないでしょ、
後ろ! 後ろ!

police06

ほんと一体なんなのかしら。
乱暴な運転をすると、
こうなるゾ!
ということを、
身をもって伝えているのかしら。

ねえ、士郎。
わたし、気分が悪くなってきたわ。
お家に帰りましょう。

え? 牛丼はどうなるのかって?
もう、そんなにへそ曲げないでよ。

どうしても食べたいなら、
お持ち帰りで買ってきてくれないかしら。
わたしの分は買わなくていいわ。

いまは、うどんくらいしか食べる気がしないの。

***

これが、ゆう子のオフでしたっ☆
まったくもう、散々だったわ。

☆* ゜   *
    ⌒   ⌒ ☆* ゜ + *
 ⌒ *  ⌒ + ・ *・ ・ *   栗田 ゆう子
 + 大 ・. *。" ・ * ☆* ゜ + yuko kurita
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Subject:Re:[業務連絡]休日のドライブ
To:ゆう子くん
Fm:安達

いや、なんていうか、
ゆう子くんに限った話じゃなくて、
うすうす気付いてたんだけど、
業務連絡じゃないよね、
完全にプライベート報告だよね

安達
 

業務連絡005 やさしさ


 
Subject:[業務連絡] やさしさ
To:安達専務
Fm:まとはずれ

安達専務、お仕事お疲れさまでございます。
短期アルバイトのまとはずれです。

掲題の件につきまして、ご連絡申し上げます。

***

空が茜色に染まりつつある夕刻、
TSUTAYAへ本を買いにゆくために、
駐車場へと向かうと、
タイヤの泥よけに、
カエルが貼りついていました。

frog

それは、
ちいさなちいさなカエルでした。

とっても可愛かったので、
わたしは両手でほおづえをつき、
しばらく眺めていたんです。

そうしているうちに、
大粒のにわか雨が、
空から降ってきました。

いけない。
もう行くからね。

わたしは、
たくさんの車が走るアスファルトの上に、
振り落とされて迷子にならないよう、
ちいさなカエルを泥よけからそっと外し、
白くて黄色い花の、その葉っぱの上に、
ちょこんと乗せてあげました。

ちいさなカエルは、
車のエンジンをかけてから、
駐車場を出てゆくまで、
ちいさな葉っぱの上から、
置いていくの?
と言いたげに、
いつまでもこっちを見ていたのでした。

***

ここ最近の記事で、
みなさんの「引き」具合が、
手に取るように感じられます。

ですから、
品性を疑われても仕方ないのですが、
ほんとうは、
やさしい視点も持っているんですよ、
ロマンチストなんですよ。

と言いたくて記事にしました。
やさしさ紙芝居を見せたかったんです。

専務なら、分かってくれますよね?

以上。

まとはずれ

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Subject:Re:[業務連絡] やさしさ
To:まとはずれ
Fm:安達

こんな、
間に合わせのやさしさじゃ、
なんも分かんないよ。

安達

業務連絡004 マーケティングリサーチ


 
Subject:[業務連絡]マーケティングリサーチ
To:加藤 千葉 栗田 岡星 富井
Fm:安達

社員各位へ

あつかれさん安達です。

簡単なマーケティングリサーチをしたいので、
質問に答えてくれるかな?

***

あなたはいま、
砂漠に立っています。
強烈な太陽光線が肌を熱く焼いています。
もちろん日陰などありません。
し烈猛烈な暑さです。

あなたは、激烈に喉が渇きました。
とにかく、痛烈に水が飲みたいです。

だけど、水は持っていません。
オアシスの気配も感じられません。
見渡す限り、砂の世界です。
どの方角へ向かったらよいのか、
それすら分かりません。

もう、喉が渇きすぎて気が狂いそうです。

あなたは途方に暮れて、砂の上へ寝ころびました。
このまま干からびて死ぬのを待つしかないのか・・・。
そう、覚悟を決めたその時です。

そこになんと、
水瓶を抱えた天使がひらひらと降りてきました。

そしてあなたに尋ねます。
「ね、ね、ここに水、あるけど、飲む?」

あなたは無言でブンブンと頷づき、
水瓶を奪うようにして抱え、
いままさに口をつけようとしたその時、
天使は言いました。

「あのね、あのね、その水瓶の水ね、
雨の日の満員電車の車内に結露した水だけをね、
丁寧に丁寧に集めた水なんだよ」

***

さあ、どうかな。
飲める? 飲めない?

安達

 

業務連絡003 口笛が聞こえる


 
Subject:[業務連絡]口笛が聞こえる
To:安達専務
Fm:千葉

千葉です、おつかれさまです。
掲題の件について連絡いたします。

本日、営業車で走っていたときのことです。
ふと、森の中から口笛が聞こえてきました。

道端に車を止めて、窓を開けみると、
かすかな音色が聞こえます。

しかし、あたりには誰もいないようでした。
私は、目をつむって耳を澄ましてみました。

やはり、森の酸素をたっぷり含んだそよ風に乗って、
どこからともなく口笛が聞こえてくるのです。

フフ、森の妖精サンが吹いているのかな?
と思ったのですが、自分の鼻笛でした。

以上。

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( 。。 ) ∬  (株)ラブ・テクノス
ミ °彡 ⌒ ヽt_taketoshi@love-technos.co.jp
>°〉)))><   〓 千葉 武俊 〓
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Subject:Re:[業務連絡]口笛が聞こえる
To:千葉
Fm:安達

おつかれ。
千葉、鼻毛はこまめに切れ。
顧客も「何? 何?」ってなるだろ、それじゃ。
営業マンとして最低限のエチケットだからな。

安達

業務連絡002 沢田様の案件について


 
Subject:[業務連絡]沢田様の案件について
To:安達専務
Fm:加藤

お疲れさまです。
掲題の件についてご報告いたします。

午前中、沢田様から連絡がありました。
契約についてお話があるとのことです。
つきましては今日の夕方、自宅を訪ねることになりました。

これで何度目でしょうか。
恐らく、金額の吊り上げかと思われます。

この案件は、我が社がステップアップするための重要な
足掛かりであって、それを熟知した上での行為です。
これ以上、プロジェクトを引き延ばす訳にはゆきません。

わたくし、今日は絶対に折れません。
ビシッと仕留めてまいります。
差し違える覚悟で行って参ります。
結果は、後ほどご報告致します。

以上。

追伸:
カッコイイですか?私の署名。
インターネットから拾ってきたものなんです。
よろしければ署名のデザイン、
私が探してきましょうか?

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∵     (株)ラブ・テクノス     ∵
∴    加藤 光郎 kato mitsuro     ∴
★ ☆ E-mail:k_mitsuro@love-technos.co.jp
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Subject:Re:[業務連絡]沢田様の案件について
To:加藤
Fm:安達

はい、おつかれ。
まあまあ、落ち着け加藤。

相変わらず守銭奴だよなー沢田のジジイは。
昔っからそうだけど。

あとな、なにするか分かんないから気をつけるように。
考えもしないような卑怯な手でも使ってくるから。
オレもずいぶん非道い目に遭ってんだ。
のぼせたらゲームオーバーだからな。
あくまでも冷静に頼む。

あとな、メールの署名、いま作ってるよ。
とびきりクールなやつを。

安達