ちづ子と遊園地へ行く朝
あいにくの大雨であつた
こうなつては取り止めだろう
毛布に包まれていると
「待つています」
ちづ子からのメール
身支度をして家を出ると
雨はすつかり止んでいた
待ち合わせの場所でちづ子は
白磁色のワンピースで
ふくよかな体躯を包み
ずぶ濡れの三つ編みから
真ッ白な湯気をもうもうくゆらせ
バスストツプ 朝靄に佇んでいた
お手玉のようなポーチを下げ
匂い立つように まつすぐに佇む
それは紛れもなく ちづ子であつた
ちづ子と遊園地へ行く朝
あいにくの大雨であつた
こうなつては取り止めだろう
毛布に包まれていると
「待つています」
ちづ子からのメール
身支度をして家を出ると
雨はすつかり止んでいた
待ち合わせの場所でちづ子は
白磁色のワンピースで
ふくよかな体躯を包み
ずぶ濡れの三つ編みから
真ッ白な湯気をもうもうくゆらせ
バスストツプ 朝靄に佇んでいた
お手玉のようなポーチを下げ
匂い立つように まつすぐに佇む
それは紛れもなく ちづ子であつた
また揚げ足取りかよと思うかもしれないが敢えて言いたい。このノボリ、気持ちは分かる。分かるけどなんか違う。なんだなんだ?なにが違う? そう、これじゃまるで灯油自体に温度があるかのようではないか。ブリキの湯たんぽや金属のウイスキー入れを小脇に抱えてスタンドに列をなし、満タンになったそれを、ある者は布団に潜らせ「あったかー」と夢心地、ある者は携帯カイロのように懐に忍ばせ「ぬっくぬくやわぁ」と街を闊歩。俺のポテンシャルをなめるな! 灯油が唾を飛ばす。曰く、『あったか。なんてヌルいキャッチじゃ燃えてらんない』のだそうだ。ではどんなキャッチを?と問えば『火だるま灯油。くらいやってくんないと』と口を尖らせる。そりゃそうだろう。燃えることが彼らの人生のすべてなのである。
えー、みなさん今日はありがとう。本当にありがとう。こんなにね、こんなにたーっくさんの人が来てくれてボクはうれしいし、なによりもこうしてみんなに会えたことにすっっっっごく感動しています。っということで改めまして、秋田のみなさんこんにちわー! 実を言うとというか、なにを隠そうというか、今回のツアーで一番楽しみにしてたのが秋田なんです。いやホント、ホントですよ。なんでかってゆうとほら、秋田って言ったら色白の、そう、秋田美人! 今日のお客様の中にもたくさんいるみたいですけど、たとえば、えー、左から秋田美人・秋田美人・ひとり飛ばして背水の陣~! そんな切羽詰った顔してどうしたんですか?? なーんてウソ。ウソですって。もう一回ちゃんとやらせてください。いいですか? 改めまして左から秋田美人・秋田美人・ひとり飛ばして NPO法人~。 身を粉にして素晴らしい活動をなさって、あ、してない? なさってない? こりゃまた失礼しましたシェー&コマネチ! とまあ冗談はこのくらいにして今回のツアー、いつもより気合が入ってます。ボクの集大成と言っても過言ではないくらいステージングにお金かけてます。だからすごくプレッシャーかかってます。 あのー話変わりますけど、ボクね、ツアーが近くなると必ず見る夢があるんです。それはどんな夢かっていうとね、どこの会場もガラガラ。ガラガラなの。閉店ガラガラーって感じなの。気合入れて準備してたくさんのみんなに聞いて欲しいって思ってるのに誰もいないの。これってすんごっく悲しいことでしょ? だからボク、客席に向かってこう叫んだんです。『いねがーいねがーお客はいねがー! いねがーいねがー泣ぐごはいねがー! いねがーいねがーワインビネガー!』 って・・・あれっ? あっ、あっ。あっ、これ、秋田の鉄板ギャグ、ですよねえ? じゃないんですか? 駅前の飲み屋の大将から聞いだんだげど。ドッガンドッガンだっつって。え? 初めて聞いた? えー? ウッソー! なんだよ~あの大将~! まんまとだまされたわ~。あとで文句言いに行くわ~。ひっぱたいたるわ~。口に色付きゴムボール噛ましたるわ〜。ということで次、最後の曲になります聞いてくださいもう恋なんてしない。
すいませーん! このなかにキノコに詳しいお客様はいらっしゃませんかー!? あらん限りの声で叫んでも砂漠。広大なサンド・ベージュ。出し抜けに吹き付ける砂埃が眼球をアタック。あうち! 月の毛布をかぶりながらうとうとついばむ夢を見てからというもの、私はこうしてまだ見ぬキノコを探し続けている。美味であった。夢でついばんだキノコはたいそう美味であった。大変おいしゅうございました。目の前をとりどりのカラーがめくるめきながらあっちゃこっちゃと跳ね回れば体も自ずとサルサ&チャチャチャ。やみくもに独舞。乱舞。円舞。こんな自分、初めて! 気がつくと私は砂に首まで埋まってて。どうしたものか。ああ、こんなときキノコがあれば。いや、キノコなら目の前にある。いや、しかし、これは。それは夢とは似ても似つかぬ桃色のキノコであった。すいませーん! このなかにキノコに詳しいお客様はいらっしゃませんかー!? 出し抜けに吹き付ける砂埃が眼球をアタック。どうやら今宵の砂漠は私の知らない砂漠らしい。月だけがいつもように月で、いつものように照らしていた。あうち!