今年から胃がん検診と大腸がん検診つうのがメンバー入りした訳ですが、これってある一定の年齢になると自動的に組み込まれるやつなので私が何十何歳なのか言わずもがなで分かってしまうのですが、もし分からなくても聞かずもがなネットで調べずもがなでお願いしたい次第です。
つうかなんですか? あの胃がん検診ていうの。リアクション芸人の罰ゲームなんでしょ? え? 違うんですか? じゃあ一体なんなんですか!? 爆発的にシュワシュワする粉末を飲ませときながら「ゲップは死んでも出さないで」とか注文つけるなんて。あのね、頓知レベルでしか解決出来ませんよあんなの。ていうか、なんかこんな感じの芸人いるじゃないですか。歴代首相を言い切ります、みたいな。んでまあ、そんでまあゲップを我慢しながらですね、冷やした生コンみたいな重たい液体を「一気に飲んで!」って、うええうええでやっとこ飲み込んだと思ったら、近未来っぽいでっかい機械に載せられてぐるんぐるんぐるるんるん、てな感じでぶん回されて。で、ぐるんぐるんされながらも「右向いて」とか「左向いて、あ、ちょっと右に戻って」とか「はいー、一回転してー」とかいう指示をこなさなきゃならないなんて。会社のオッサンが「宇宙遊泳みたいだ」って言ってましたけどホントですよ。なんかもう行けるような気がするもの宇宙に。気がするし、で、うーん、・・・もういいか、胃がん検診の話は。
で、大腸がん検診なんですが、まあ検診といっても事前に2日分の便を採取するだけなのに「確実に採取しなければならない」っていう重圧に侵されて全然出ないんだなコレが。あ、なんかいまの和久井映見っぽくないですか? ぽくないですかそうですか古いですかすいません。ほんでまあ悪いことに検診の前日が日帰り東京出張で、生活リズムの変化に弱いアタシは、アタシあねえ。って浅香光代っぽくないですか? ですよねぽいですよね。まあとにかく出ないわけでまいったんです。
結局ですね、出張から帰ってきた新幹線のホームでやっと「便意のようなもの」をですね、出口のあたりでわずかに疼いたというか。確定じゃない感じの。分かりますかね? このままズンズン歩いたら消え失せてしまいそうなそれを、かすかな虫の音に耳を澄ますように目を閉じて、この小さな便意が大きな便意に育ちますように、小さな便意たちが実を結び世界に平和が訪れますようにって、(このときの自分にとっては便意も善意も等価だったんです)立ちつくして祈ったらば、冗談みたいな話ですけど「通じた」んですね、これが。
ンホー!!! 検診を明日に控えた紛れもないラストチャンスにテンション上げ上げ駅のトイレに駆け込んで踏ん張ったら100円ショップのかりんとうみたいなのが出ました。出たんです。なんか、かわいーって感じのが。「生まれて、すみません」って感じのが。いやいやありがとう、生まれてくれてありがとうございますって自分の便に敬語を使いながら採取ケースの蓋をひねって採取棒を105円に近づようと動いたら「ポーン」ていう電子音が鳴って、え? なんの音? と思う間もなく「ミズガ、ナガレマス」っていうアナウンスが聞こえてきて、ウソ!? ちょっと待った! ゴゴゴ、シャーーー!!! ・・・・・・うっそおおおおおん。なに?なに?なんなの? なんなのこれ??? なんのシステムエラーなの? って壁を見たらば「センサーで自動的に水が流れます」だって。ファック!ハイテク!
しょうがないじゃないですか。ここまで追い詰められたらやるしかないじゃないですか。迷ったけどほかに手がないんですもん。というわけで、恐る恐る採取棒を肛門になすりつけたんですが収穫ゼロ。なんだよー、なんでこういうときに限ってキレがいいの? うーんこれはまいった。どうするどうする? いや、どうするって、もうこうなったら自分自身の潜在能力に掛けるしかない。しかないわけです。この場合の潜在能力とはもちろん「便力」。同じ轍を踏まぬよう便器のエリア外にトイレットペーパーを敷き詰めて踏ん張るマン・サンジェルマン。こめかみがピリピリするくらい頑張って踏ん張って出たのが、まるで妖精のような物体で。「迷子になった妖精さん?」ってやさしい声をかけたくなるような、サンリオのキャラクターみたいな、そんなアレだったわけですけど。
・・・・・・あのですね、大変申し上げにくいのですが、ここまで書いてきてオチをどうしようか悩んでいるというか、これ以上こんな話題で悩みたくないというか、くだらなすぎて疲れてしまいましたのでひとつ提案なのですが、たとえば「最後まであきらめないで頑張れば夢は叶う」みたいな教訓というかエールというか、そんな感じでこの話を締めくくりたいと思うのですが、いかがでしょうか?