カップラーメンをすすっていたら、ドスンバタンという音に続いてヌギャーという不穏な鳴き声が聞こえたので、まさかまさかの予感を抱いて廊下に出ると、ネコが何かをくわえている。目をどろんと据わらせて。うっそおマジで!? ネズミ? ネズミなの? 勘弁してよもー。 と恐る恐る近づいてみたら、スズメだった。
なにをドスンバタンしていたのか分からないけど、とにかくこのままではマズイ。ネコごと抱えて階段を降り、出入り口となっている風呂場の小窓からひょーんと放り出した。もうほんとこういうのやめて。部屋に戻り改めて麺をすすっていると、またもやヌギャアとケモノ丸出しの鳴き声が聞こえてきて廊下に出ると、ネコがスズメをくわえてこっちを見ている。
戻ってきた。すぐ戻ってきた。ああ、風呂場の小窓、閉めてなかったか。だけどまさか戻ってくるなんて、ぬかった。んもう! またもやネコごと抱え上げる。よくみるとスズメはまだ生きていて、体をぴくぴくさせながらくちばしの先からちょっとだけ血を出している。うわーん、見たくない見たくない、見たくなかったよー。と慌てて階段を降りると、ネコが猛烈に暴れ出した。後ろ足をばたばたさせてもがく、もがく。
おかげで手首がこんなことになった。あーあ。こういうひっかき傷って範囲が広いから絆創膏が貼りづらいので、マキロンの類似品をぶしゅっとひっかけおいた。
なんかネコって、飼い主に褒められたいがために獲ってくるらしいけど「おー偉い偉い、偉いぞー。さ、そのスズメ(ネズミ)、半分ずっこしようよ」なんてことはどうしても言えないし、スズメもネズミも食いたくないし。
でも老後、年金も支給されなくて食うに困るような事態になったら、食うかな。むしろ、毎日獲ってこさせる。栄養のバランスを考慮して大根とかの根菜類、ほうれんそうなどの緑黄色系統もくわえてこさせる。もちろん、季節の果物なんかも。梨と桃は必須。でも、泥棒猫なんて言わせない。ひとりの、或いはふたりの老人の命を支えている大黒柱なんだから。そういうわけだから、これからもなかよくしようね。ねんごろねんごろ。