ひさしぶりにマクドナルドへ。カウンターに立ち、定番のチーズバーガーを注文しようとしてふと、違うバーガーを食べてみようかと思い立った。立ったはいいものの、迷う。■注文を待つ店員の、逆光みたいなスマイルが否も応もなく焦燥を煽り、手元にあるメニューの内容がまったく頭に入ってこない。■もうなんでもいいよ、あ、あれあれ、あれだ、あれにしよう! 脳裏に、とあるバーガーが像を結んだものの、今度は名前が出てこない。■手元のメニューの、サブリミナルのごとく飛び込んできては消えてゆく無機質な文字の羅列から、脳裏の像と合致しそうな組み合わせを拾いあげ、その名を告げる。「ヤキテリア!」■違う、違うんです! そんな弁解の隙もなく、機転を利かせた店員がすかさず訂正をする。「テリヤキ、でよろしかったですか?」■どうしてこうなってしまったのだろう。陽の当たる2階の窓際に陣取って、「ヤキテリア」という単語を分解すると「テリヤキ」「ヤキトリ」「ロッテリア」で構成されていることが分かった。■タレをつけながら焼くという共通項による「テリヤキ」と「ヤキトリ」の喚起、そして、ハンバーガーチェーンという共通項による、ライバル店「ロッテリア」の喚起。その3つが、なんとも絶妙な混ぜ加減で発せられたというわけで。■まあ、それにしてもハンバーガーてのは残酷な食べ物ですね。粉々にした牛をこねて焼いてパンで挟んで食う。そう考えると牛タンも、焼いたベロをベロにベロっと乗せて、あまつさえ柑橘の汁をふったりして食うのだからなんとも野蛮極まりない。■さんざん食えや食えやと滋養を与えられ、愛でられ育てられてきた牛たちにしてみれば「詐欺じゃーん」と、自分のお人(牛)好し加減に忸怩の涙を流すのではないでしょうか。■「オレオを半分ずつ配るね」「うん」「1枚、2枚、3枚、4枚、5枚、6枚、7枚、ところでいま何時?」「6時」「7枚、8枚、9枚、10枚、・・・・・・ってオレの1枚少ないじゃん!」■これがオレオ詐欺です。今では「振り込め詐欺」と呼ぶので、どうにもいまさら感が拭えませんが。■あと、ぜんぜん関係ないんですが、歯磨き粉に書かれている「トラネキサム酸」を目にするたびに「トラネキ・サムさん」という外人の姿を想像してしまいます。ガス欠でJAFを呼んだりする、なんか、パッとしない外人です。
「七三日記」カテゴリーアーカイブ
七三日記(0202)
■ほんのちょっとした一大決心というか、鬱屈の要因となっていた真情をついに吐露しました。■いつどこでだれが言い出したのか分からないんですが、スクール水着のことを「スク水」って言うらしいんですね。友人か誰かから教えてもらったんですが、その語感を初めて耳にしたときどういうわけか「スク水洋一」ってのが浮かんだんです反射的に。■想像なんかしなきゃいいのになーんかどーにもすこぶるいやーな気分になりました。みなさんもよければ想像してみたらいいのに。■ストレス無間地獄といいますか、ルームランナーを速くしすぎて降りられなくなったといいますか、いーとーまきまきいーとーまきまきってグルグルやりすぎて止めるタイミングを見失ったといいますか、つまらないギャグに愛想笑いしたはいいけど素面に戻すタイミングが分からなくて困ったといいますか、ここしばらくそいういう日々を過ごしてきました。■コタツにあたりながらちょっとしたアダルトサイトをひょんなことから拝見していたときにひょんなことからオナラをしたんですが、ややあってコタツの中から、か細い「にゃー」が聞こえてきました。■勝手気まま知らないうちに出入りするので中にいることを把握していなかったんです。「ごめんなだいじょぶかー?」と換気を兼ねて頭を撫でていながらも、台所に常駐させればいざというときガス警報器代わりになるんじゃないかにゃー。などと知恵を働かせるのを忘れない我輩なんです。■そんなわけで胃が痛いです。いろいろ考えるのはいいけど、いらん要素をばんばん盛り込んで考えすぎる癖があるんですな。でもなあ、シンプルに生きられないものなあ。■運転をしていて、どうしても尿意を堪えることができなかったので辺りに人気がないのを確認し、いやいや確認もなにも、どう考えても誰もいないことが丸わかりな場所だったので草むらにまぎれて立ち小便をしたんですが、なんなんですかね、そういうつもりはなかったんですけど、じょーじょー言ってるあいだずっと右足のかかとを上げてました。■犬か。ゥワン!■まあ、そういったわけで、たぶんもうすぐ無職です。■仕事をください。ボールペンの組み立てと、1枚組のティッシュを2枚組にするのは得意なんですブレンディ。よろしくお願い致します。
七三日記(0121)
■僕なんかは「出来ちゃった結婚」っての本当はあれ「出ちゃった結婚」だと思ってるんです。どうして「出来ちゃった」のかを考えればおのずと結論が出ちゃうわけです。■結果を掲げて原因をくらませる巧みな手法、なんて言うと悪意が滲みますけど、考えの硬い人間ではありませんから「順序が逆」とか「けしからん」みたいなことは言いません。むしろ「おめでとう」って祝福したいですし、実際、そう言いますし、なんなら結婚式にも出ちゃいます。■片道二車線の国道を走っていたら「左に寄れ」という看板が。どうやら工事のようです。■「ごめんねごめんね入れさせて」ってウィンカーをチカチカさせて左車線に割り込んで、ハザードの点滅で感謝の意を表明。って、そこまでやったのにも関わらず、左車線で工事しとる。■馬鹿野郎! もう、なんか、みんな慌てつつも、よろよろしながら右車線に寄り戻ってて、要するに看板が間違ってたんですけど、もんの凄く腹が立って立って立って、かつ、青筋を立てました。今となっては「なにもそこまで」って感じなんですけど、どういうわけかその時は、自分の邪悪な面が出ちゃいました。■あちこちにモーテルの看板を見かけます。私にとっては縁のない建造物ですが、一度気になりだすと「あ!」「あそこにも!」「またあった!」といった感じでキリがありません。つまり、キリがないほどあるのです。■さらにここ一年ほどで新しい看板がかなり増えました。そんなにも需要増なんでしょうか。あれですかね、もしかしたら厚生労働省の少子化対策の一環なんですかね、秘密裏で実施してるような。うわ、今、なんか、ちょっとした裏事情を知った気分になって、テンション上がって、ドーパミンが出ちゃいました。■モーテルといってもネーミングは様々です。こないだ「カーニバル」ってのを発見したんですが、躍動感のあるフォントで、看板全体もワクワクするような色使いだったんです、ああ、一体どんなんでしょうかね?■入った途端、弾けるようなサンバ的音楽と七色の光を放つボール状の照明がくるくる回ってお出迎え。むっとするような室内温度でもう気分は常夏。見渡す室内に配備された、ハンモック、椰子の木、トロピカルドリンクの3大南国要素が気分をダメ押し。さらに、ドでかいプラズマテレビの隣にはWiiがあって、キャッキャ言い合いながら体を動かして、疲れたらハンモックで冷たいトロピカルドリンクを飲んで、じゃあ次はテニスで勝負ね! なんて感じでまた体を動かして、さ、汗もかいたしシャワー浴びよう。あーさっぱりした。忘れ物ない? ないよね? よし、じゃ帰ろうか。2時間で、え? 3500円? やっすぅーい!!!■ぜんぜん少子化対策に寄与しないモーテル。■あー、この妄想、なんかもう、どうでもよすぎちゃって、涙が、出ちゃった昨今。
七三日記(1225)
■右頬の内側に数日前から口内炎が出来ていて触れると痛い。食事は左頬サイドで咀嚼しているから食事の効率が悪くてイライラする。思うように食事が取れないというだけでストレスが溜まるなんて。と自分の器の小ささを再確認。■ふと、両頬の内側に口内炎が出来てしまったらどうなるのだろうと考える。残されたのは前歯のみ。肉関係は噛み切れないから無理。当然、スルメなんてもってのほか。じゃあ、何を食えばいいんだ。■ドングリでも食うしかないか。■唐突ですが方言クイズをやってみます、それでは出題です。「でろのついだでえごんさほしが?」これを標準語に直してください。解答は記事の最後で。イラつかせてごめんなさい。■好きなタイプを聞かれると「包容力のある人が好き」と答える人は多い。■辞書を引けば<相手のことを寛大に受け入れられる心の大きさ>とある。なるほど。だけど包容力さえあればどんな人でもいいわけ? うーん例えば。■包容力のある変態。■え、ダメなの? すごく寛大に受入れてくれるみたいだけど。■ふーん、なんだかなあ。とりあえず「包容力」言っておけば間違いないみたいな感じ?あ、要するに「ワガママぜーんぶ許してネッ!」っていうこと?■わームカつく、最後の「ネッ!」が特に。自分で書いて自分でムカつく。■これを自家嫌悪という。■「なんだかウキウキしちゃう!」と言う人を見ると「バナナあげようか?」と言いたくなる。それがもし外人なら「バネィナあげようか?」となるわけだが。■「わけだが」ってなんだよ。■「特売所」の看板を見かけた。何の特売所かは書いてない。約300メートル間隔で配置された白地に赤の看板。3つ目通過で「何が売ってるの?」という期待感が沸いてくる。うーん、うまい作戦だ。もはやこの時点で運転の目的は「特売所探し」に切り替わっている。絶対に見逃さない。■4つ目、5つ目の看板を通過するとボルテージは最高潮に。7つ目を過ぎたし、そろそろ見えてもおかしくない頃合い。なのにまるで気配がない。それじゃあと期待をかけた8つ目、8つ目、8つ目の看板。・・・・・・ええー!?■結局、特売所は存在しなかった。うっそおぉぉん、ってなった。■ついさっき蘇った幼い頃の記憶を。■みそ汁のお椀に水を注ぎ水彩の筆を構え、言うことを聞かない妹に「うるし塗るからな」と圧力をかけている。■そんなシーンがフラッシュバックしたクリスマスです。■えー、それでは解答を。「泥のついた大根欲しい?」でした。当たったでしょうか?
被疑者M
妹が子供3人を引き連れ、一時的に実家へ戻ってきた。
どうやら旦那と喧嘩したらしい。私はなにひとつ理由を聞くこともしないで、まるで、ずっと前からそういう生活を送ってきたかのように振る舞った。
なんてやさしい兄なのか。
妹も、その笑顔の下で、感涙にむせび泣いているに違いない。
食事を終え風呂に入ろうすると、「ね、ね、お兄ちゃんとお風呂入る??」と妹が子供2人に聞いている。私にとっては、5才の甥と3才の姪だ。
正直私は、「めんどくせえ」と思っていたのだが、姪が「はいろー」とちょこちょこ足にしがみついてきたので入ることにした。
風呂上がり、体を拭ってもらいながら甥が言った。
「まとはずれのおちんちんねー、でっかいんだよー」
甥のセリフに食い気味で姪が続ける。
「でっかくなったんだよー」
変質者を発見したかのような妹の横目。
待て待て待て。違う、違う、何もかもが違うでしょ!?
入浴のあいだじゅう私は平常心だったし、おちんちんの状態も平常だった。それに、そういうロリータな趣味は持ち合わせていない。
ついでに言うと、平常時からでっかいわけではなく、甥が自分のものと比較して「でっかい」と評しただけで、そしてそれに追随しようとした姪が、「でっかくなった」と”過去形”の意味も知らずに発言した。たったそれだけのことだ。
妹よ、上手に言葉を操ることができない子供の発言と、血のつながった兄妹として十数年ひとつ屋根の下に暮らしてきた兄と、いったいどっちを信用するというのか。
潔白の情報をふんだんに盛り込んだ視線を送ったものの、妹の目が笑うことはついになかった。
そうかよ、そういうことかよ、親になるってそういうことかよ。なんだよ、行け行け、はやく出てゆけ!