業務連絡013 オイラかかし


Subject:[業務連絡] オイラかかし
To:安達専務
Fm:matohazure

おひさしぶりです、専務。
お変わりないでしょうか?

最後のメールから、1年も経ったんですね。
「光陰矢のごとし」グサリと突き刺さる言葉です。

そうだ、専務。覚えていますか? アネさんのこと。
ですよね、もう、すっかり忘れてしまいましたよね。
ホラ、例の彼女のことです。

業務連絡012 アタシかかし
http://crash-log.com/?eid=107

思い出しましたか?
そうですそうです。そういう季節が巡ってきたんです。
ああ、今年もアネさんに会える! 会えるんだ!
車を走らせながらボクは、ドキドキしていました。

 

ロベルタ01

――いたいた!
――おーい、アネさーん!! アネさーーーーん!
――元気にしてたー!? おーい、おー・・・、アレ?

 

ロベルタ02

――ふぁ! え?・・・・・・誰!?

専務、おどろいたでしょう?ボクだって、こっぴどく驚きました。
だって、アネさんじゃないんですから。
一気に意気消沈してしまいました。
帰ってしまおうかどうかしばらく迷ったのですが、
もしかしたら、もしかしたらアネさんの消息を知ってるかも。
そう思ってインタビューを試みました。

 

ロベルタ03

――あのー・・・
 いらっしゃいませ!マクドナルドへようこそ!
――え?
 とりあえずポテトはいかがですかあー?
――いやいや、あの
 ハ、ハイ!スマイルひとつですねー?
――いや、だから
 あひゃひゃひゃひゃひゃ!ダヒダヒ!
――あの、帰ります
 ちょ、ま、ちょっと待つダヒ!
――でも・・・
 あやまるあやまる、ごめんダヒ!
――・・・じゃあ聞くけどさ、アネさん、どうしてる?
 ダブルスマイルいかがっすかー!?
――・・・
 あひゃひゃひゃひゃひゃ!ダヒダヒ! ダヒダヒ!
――やっぱり帰るね
 あーーー本当にごめんダヒ!この通りダヒ!
 とってもさみしかったんダヒ!
――・・・じゃ、質問に答えてくれるね?
 ダヒ
――アネさんはどうした?
 ・・・アネさんは、星になったダヒ
――エ!? てことは、もうこの世には・・・うう、そんな 
 違うダヒ。万引きで補導されて犯人(ホシ)になったダヒ!
――まぎらわしい言い方しないでくれるかな
 家から一歩も出られないんダヒ。親に見張られてるダヒ!
 ダヒッヒ、ダヒッヒ!
――キミと話してるとすごく疲れるよ
 ・・・ダヒヒ
――いや、褒めてないからね。ところで名前はなんていうの?
 ロベルトっていうダヒ。ロベルタって呼んでくれダヒ。
――どっちなの?
 ロベルタでいいダヒ
――じゃあさロベルタ
 なんダヒ?
――その右足
 右足がなんダヒか?
――アネさん譲りのアグレッシブなその右足
 ・・・ダヒヒ
――どうしてそんなに引いてるんだい?
 それは・・・
――それは・・・?
 疲弊したこのロクでもない世界に蹴りをお見舞いしてやるためさ!!

 

ロベルタ04

――アレだね、右足もすごいけど、腕もすごいよね
 なんでスルーするダヒ!?
――なにが?
 え?
――え? なに?なに??
 いや、右足がどうして引いてるとかって今
――なにを? え? え?
 いや、もう・・・いいダヒ。
――ロベルタさ
 なんダヒ?
――その「ダヒ」っていうの、計算ですよね?
 計算てなんダヒ?
――いやだから、すべてが計算ずくなんでしょ?
 だからなんの計算ダヒ!?
――黙れ! このヨレヨレ一張羅の馬鹿野郎が!
 馬鹿ってなんだよこの野郎! それはちょっと言い過ぎだろ!
――ほらでた
 ちゃ、違う、違うダヒ! 違うダヒー!
――かわいー!とか言われたいんですよね?
 そんなことないダヒ
――「ダヒ!だって、んもう、かわいいー!」とか
 ないない、ダヒ、いやいや
――そんなふうに言われちゃったりしたいんですよね?先輩!
 その言い方なんダヒかー、ズルいダヒー
――素直に言えばいいじゃない
 なにをダヒか?
――かわいいって言われたいです、って
 だからそんな・・・
――素直にしないと引っこ抜くからね
 やめてダヒ!
――かわいいって
 あ、いや
――ボクは、ボクはかわいいって?
 ん竏秩Aでも、いや・・・
――かわいいって???

 
 言われたいダヒ!!!

ロベルタ05

以上です、専務。

▼▼▼
Subject:Re:[業務連絡] アタシかかし
To:matohazure
Fm:安達

ひゃ!

ていうかなんなの? 毎回。
このオチのパターン、来年はないからね。

安達

本日の特選! ビニール合羽2


 
kappa02

yoichiro 男:勅使河原洋一郎
hikaru 女:ヒカル

たのしいサイクリング

hikaru 風の匂いがもう秋ね

yoichiro いーや、まだまだ夏さ

hikaru どうしてそう思うの?

yoichiro ひと雨くるからさ

hikaru だけどすごくお天気よ?

yoichiro ごらん夕立の雲だ

hikaru あれが?

yoichiro 積乱雲。夏の雲さ

hikaru 洋一郎さんて、良純?

yoichiro んなこたないさ

hikaru 頼りになるワ

yoichiro ほうら、おいでなすった

hikaru きゃー

yoichiro 夏が、泣きなすった

hikaru ステキ!

yoichiro あすこに廃墟があるぞ

hikaru 願ったりかなったりだわ

yoichiro 双子だね

hikaru え?

yoichiro マナったりカナったり、ってね

hikaru やだ、洋一郎さんたら!

yoichiro レベルが高くてすまない

hikaru まるで大御所ね

yoichiro さ、飛ばすぞヒカルくん

hikaru いやん、待ってよ!

yoichiro ふー、びしょびしょだ

hikaru ここは何の廃墟かしら?

yoichiro ぐっちょぐちょだ

yoichiro ぐっちょぐちょのびっちょびちょだ

hikaru ね、洋一郎さん聞いてる?

yoichiro まったくもってズブズブだ

hikaru そんなに濡れたかしら??

yoichiro へ、へーっくしょん!

hikaru 大丈夫?

yoichiro 平気さ

yoichiro それよりボクは

yoichiro ・・・ヒカル君が心配なのさ

hikaru やだ胸キュン!

yoichiro 夏風邪、召しちゃうゾ。ってね

hikaru いやん困るう

yoichiro ん? 替えのTシャツがあるぞ

hikaru まあ! どこに?

yoichiro 偶然バッグにあったのさ

hikaru よかったわね

yoichiro さ、着るんだヒカルくん

hikaru え? ヒカルは平気よ

yoichiro いいから着るんだ

yoichiro はやく着るんだ

yoichiro 上を脱いで

yoichiro 下も脱いで

yoichiro スポっと着るんだ

yoichiro 2Lだから全然平気

yoichiro 太ももまで隠れちゃうから

hikaru 何をぶつぶつ言ってるの?

yoichiro 不公平だからボクも脱ごうか

hikaru ね、勅使河原さん

yoichiro 早くしないとヒカルくん

yoichiro 体が冷えちゃうから

yoichiro 風邪を召しちゃうから

hikaru 勅使河原さん聞いて!

yoichiro ・・・なんで急に苗字?

hikaru アッチ向いててほしいの

yoichiro そうかそうかごめんごめん

hikaru 絶対見ないでね

hikaru 見たらヒカル、舌を咬むわ

yoichiro わ、わかったよ

yoichiro ね、ねねね

yoichiro いま脱いでるのは

yoichiro 上かい?

yoichiro 下かい?

yoichiro それとも両方かい?

yoichiro イヤよイヤよも何とやら

yoichiro つまり、そういうことかい?

yoichiro もういいかな?

yoichiro もういいよね?

yoichiro いい加減にいいよね??

yoichiro ねねねねねね、ね?

hikaru ・・・いいわ、こっちを向いて

yoichiro い、行くよっ! ヒカルくん!!

yoichiro ・・・そ、それは?

hikaru ラビットのビニール合羽よ

yoichiro ら!?

hikaru ヒカル、これで帰るの

yoichiro へ!?

ナレーション
 廃墟なんてもういらない
 安心安全ビニールの「ラビットビニール合羽」
 お買い求めは有名デパート各店にて。

hikaru ほーんと、頼りになるの

yoichiro ちょっとタイム!

yoichiro ボクは? ボクはどうなるの?

yoichiro どうしたらいいの?

hikaru それじゃあね、勅使河原さん

yoichiro ななな、なんで苗字で呼ぶ!?

hikaru ばいばーい!

yoichiro ま、まって、さむい!

yoichiro さむいよー!

yoichiro ふぁ、ふぁーっくしょん!!!

yoichiro このままじゃ風邪、召しちゃうよー

yoichiro あと、なんで苗字で呼ぶんだよー

ナレーション
 ビニールでつながる愛もある 角倉工業株式会社

本日の特選! ビニール合羽 第一弾はこちら
http://crash-log.com/?eid=124

いまさら世界の中心で


 
 池脇千鶴が大胆なベッドシーンを演じた映画のことは前から知っていたし、ずっと気になっていた。なにせ、今をときめく売れっ子女優が脱いで魅せた珠玉の純愛映画なのだ。タイトルは「ジョゼと虎と魚たち」。チャンスがあれば見たいと思っていたが、なかなか触手が伸びずとうとうここまで来てしまった。とりあえずイントロダクションでも見てみようとYoutubeをまさぐると、難なく例のベッドシーン動画を発見した。小ぶりのおっぱいではあったが、彼女が躊躇なくブラジャーを外す場面は「ええ!?まさか!あの子が!?」感を存分に味わえるインパクト大のシーンであった。そしてその後、クスクス笑い合いながらのキスからディープキスを経て、いよいよ火がつき加速した妻夫木によるおっぱいペロペロ攻撃開始直後、二人はこんなやりとりを交わす。

 ペロペロされながら池脇千鶴が言う。
「・・・・・・ねえ、なんかしゃべってよ」
 ペロペロしながら妻夫木が言う。
「え? ・・・・・・ごめんそんな余裕ない」

 話は飛ぶが、「愛の新世界」という映画がある。ざっくり言うと、昼は劇団女優、夜はSMクラブの女王様としての顔を持つ鈴木砂羽と、ホテトル嬢演じる片岡礼子との青春友情ストーリーといったところか。当番制で劇団員全員とセックスして全員性病、夜は女王様となって冷やかし客を本物のMに目覚めさせるなど目覚ましい活躍をみせる鈴木砂羽。キチガイ客により命の危険に晒されている片岡礼子のもとへ用心棒役の哀川翔が登場し、サングラスのレンズをバリバリと囓りながら不敵な笑みを浮かべるなどなど、この映画の見どころはたくさんある。そして、その見どころの随所随所に織り込まれる「え、AV?」と見まごうばかりのシーンたち。しかし、しかしそれでも最後には青春映画として、完璧な着地を見せる。そして私はその瞬間、いつも震える。R指定でありつつも爽やかな青春映画。この映画は間違いなく傑作である。(個人的に)

 もうひとつ、「ひとひらの雪」という映画がある。これに関してはもう説明の必要はないだろう。爆発的な衝撃を受けながら鑑賞した。こんなにエロくていいのかと。当時の、アダルトビデオ未経験中高生の脳内がただならぬ興奮のるつぼと化していたことは間違いない。だいぶ前の記憶なので具体的にどうこう言えなくて申し訳ないが、秋吉久美子と津川雅彦の濡れ場のいやらしさたるや、もはや「R指定」というよりも「どうにでも指定」であって、そのシーンに私たちが見いだすのは性欲。ありのままの性欲のみ。まるごと性欲。あるいは、性欲むき出しちゃいました。といった感じの、本能に抗うことなく快楽を追求する人間の記録なのであった。

 ここで話をジョゼに戻す。人気若手女優によるおっぱい丸出しベッドシーンという本来あり得ない超付加価値映像を前にしてチンコがピクリともしないのはどうしてなのか。私は困惑した。まだそういう年齢ではない。もっとイケるはずなのに。結論を言おう。すべての原因は純愛。純愛というモザイクが我々の下半身瞬発力を強烈に抑制していたのだった。

「・・・・・・ねえ、なんかしゃべってよ」
「え? ・・・・・・ごめんそんな余裕ない」

 真っ只中に、こんなセリフ言うだろうか。よしんば、よしんば女が「なんかしゃべって」と問うたとしても完全に無視し、一心不乱にペロペロすることこそが「余裕ない」ことを表現する最良の答えだ。私が思うに、純愛モザイクのかかったベッドシーンなど、見せパンや見せブラと同系列に並べて語られる、謂わば『見せセックス』である。ボクたちワタシたちすごくすごく純粋に愛し合ってるのー。って、そんなこと考えてセックスする人間なんていない。嘘だと思うなら、自分のを撮影して見てみればいい。ほら、一心不乱。

 いまや世界は純愛物語に満ちあふれている。そして、どの物語にもレイプ、不治の病、恋人の死といった要素が方程式のように用いられている。純愛はそういった飛び道具抜きには語れないものなのだろうか。そろそろやめにしませんかそういうの。安っぽいから。

 順番が逆なのを承知の上で言うのですが、ジョゼはちゃんと見ようと思います。ケチをつけたからにはきちんと見なくてはならないと感じているからです。必ず見ます。池脇千鶴のおっぱいを重点的に見ます。それでは、えー、最後になりますが、ひとつだけ言わせてください叫ばせてください。いいですか? 心の準備はいいですか? いきますよー、せーの。

 純愛禁止!!!(もちろん世界の中心で)

 

白いMacはカマトトぶらない


 その日、ボクは見てしまった。
 ボクのオシャレな白いMacが、白いオシャレなボクのMacが。白を基調としたオシャレ泥棒コンピューターが、目を覆いたくなるような言葉を映し出していたのを。

naburu

 断っておくけど、ボクの差し金なんかじゃないからね。ボクがやったことといえばただひとつ、言葉の流れるスクリーンセーバーを設定しただけ。

 きっと、暑かったんだよね? 熱暴走、しちゃっただけだよね? 後ろにうっすら「礼節」って見えるけど、これって、あの慣用句のことだよね。・・・・・・そっか、足りてなくて、だからこんな、あられもない言葉を。

 それとも、それともだけど、オシャレぶるのに飽きた? 飽きちゃった? あれもこれもみーんな出来る。出来ないことなんてないんだよ。って夢を語るのがもう嫌に? 夢見る少女じゃ、いられない? そしたら今からキミのこと、『ファッキントッシュ』って呼ぶけどいいかな。それとも、『マ○ク』がいい? 個人的には後者のほうが想像力をかき立てていやらしいと思うけど、どう? どっちがいいか夕方までに決めておいてよ。