あったか灯油


あったか灯油

また揚げ足取りかよと思うかもしれないが敢えて言いたい。このノボリ、気持ちは分かる。分かるけどなんか違う。なんだなんだ?なにが違う? そう、これじゃまるで灯油自体に温度があるかのようではないか。ブリキの湯たんぽや金属のウイスキー入れを小脇に抱えてスタンドに列をなし、満タンになったそれを、ある者は布団に潜らせ「あったかー」と夢心地、ある者は携帯カイロのように懐に忍ばせ「ぬっくぬくやわぁ」と街を闊歩。俺のポテンシャルをなめるな! 灯油が唾を飛ばす。曰く、『あったか。なんてヌルいキャッチじゃ燃えてらんない』のだそうだ。ではどんなキャッチを?と問えば『火だるま灯油。くらいやってくんないと』と口を尖らせる。そりゃそうだろう。燃えることが彼らの人生のすべてなのである。


ストップ・ザ・迷走


stop

実際のところどうなんでしょうかこのポスター。

wordで作りました。みたいな立体感の安さもさることながら「ストップ・ザ」て。「ザ」ってカッコいい要素じゃないですか。これじゃ強盗を引き立ててるじゃないですか。ていうか、「ストップ・ザ」って言ったら「シーズンインザサン」じゃないですか。いつまでもこのままでいたいじゃないですか。時計など気にせず抱きしめあいたいじゃないですか。海へ行きたいじゃないですか。いますぐ海へGO TO!て。え? もらえないんですか? 座布団一枚。

業務連絡013 オイラかかし


Subject:[業務連絡] オイラかかし
To:安達専務
Fm:matohazure

おひさしぶりです、専務。
お変わりないでしょうか?

最後のメールから、1年も経ったんですね。
「光陰矢のごとし」グサリと突き刺さる言葉です。

そうだ、専務。覚えていますか? アネさんのこと。
ですよね、もう、すっかり忘れてしまいましたよね。
ホラ、例の彼女のことです。

業務連絡012 アタシかかし
http://crash-log.com/?eid=107

思い出しましたか?
そうですそうです。そういう季節が巡ってきたんです。
ああ、今年もアネさんに会える! 会えるんだ!
車を走らせながらボクは、ドキドキしていました。




 

ロベルタ01


――いたいた!
――おーい、アネさーん!! アネさーーーーん!
――元気にしてたー!? おーい、おー・・・、アレ?






 

ロベルタ02

――ふぁ! え?・・・・・・誰!?

専務、おどろいたでしょう?ボクだって、こっぴどく驚きました。
だって、アネさんじゃないんですから。
一気に意気消沈してしまいました。
帰ってしまおうかどうかしばらく迷ったのですが、
もしかしたら、もしかしたらアネさんの消息を知ってるかも。
そう思ってインタビューを試みました。






 

ロベルタ03

――あのー・・・
 いらっしゃいませ!マクドナルドへようこそ!
――え?
 とりあえずポテトはいかがですかあー?
――いやいや、あの
 ハ、ハイ!スマイルひとつですねー?
――いや、だから
 あひゃひゃひゃひゃひゃ!ダヒダヒ!
――あの、帰ります
 ちょ、ま、ちょっと待つダヒ!
――でも・・・
 あやまるあやまる、ごめんダヒ!
――・・・じゃあ聞くけどさ、アネさん、どうしてる?
 ダブルスマイルいかがっすかー!?
――・・・
 あひゃひゃひゃひゃひゃ!ダヒダヒ! ダヒダヒ!
――やっぱり帰るね
 あーーー本当にごめんダヒ!この通りダヒ!
 とってもさみしかったんダヒ!
――・・・じゃ、質問に答えてくれるね?
 ダヒ
――アネさんはどうした?
 ・・・アネさんは、星になったダヒ
――エ!? てことは、もうこの世には・・・うう、そんな 
 違うダヒ。万引きで補導されて犯人(ホシ)になったダヒ!
――まぎらわしい言い方しないでくれるかな
 家から一歩も出られないんダヒ。親に見張られてるダヒ!
 ダヒッヒ、ダヒッヒ!
――キミと話してるとすごく疲れるよ
 ・・・ダヒヒ
――いや、褒めてないからね。ところで名前はなんていうの?
 ロベルトっていうダヒ。ロベルタって呼んでくれダヒ。
――どっちなの?
 ロベルタでいいダヒ
――じゃあさロベルタ
 なんダヒ?
――その右足
 右足がなんダヒか?
――アネさん譲りのアグレッシブなその右足
 ・・・ダヒヒ
――どうしてそんなに引いてるんだい?
 それは・・・
――それは・・・?
 疲弊したこのロクでもない世界に蹴りをお見舞いしてやるためさ!!







 

ロベルタ04


――アレだね、右足もすごいけど、腕もすごいよね
 なんでスルーするダヒ!?
――なにが?
 え?
――え? なに?なに??
 いや、右足がどうして引いてるとかって今
――なにを? え? え?
 いや、もう・・・いいダヒ。
――ロベルタさ
 なんダヒ?
――その「ダヒ」っていうの、計算ですよね?
 計算てなんダヒ?
――いやだから、すべてが計算ずくなんでしょ?
 だからなんの計算ダヒ!?
――黙れ! このヨレヨレ一張羅の馬鹿野郎が!
 馬鹿ってなんだよこの野郎! それはちょっと言い過ぎだろ!
――ほらでた
 ちゃ、違う、違うダヒ! 違うダヒー!
――かわいー!とか言われたいんですよね?
 そんなことないダヒ
――「ダヒ!だって、んもう、かわいいー!」とか
 ないない、ダヒ、いやいや
――そんなふうに言われちゃったりしたいんですよね?先輩!
 その言い方なんダヒかー、ズルいダヒー
――素直に言えばいいじゃない
 なにをダヒか?
――かわいいって言われたいです、って
 だからそんな・・・
――素直にしないと引っこ抜くからね
 やめてダヒ!
――かわいいって
 あ、いや
――ボクは、ボクはかわいいって?
 ん竏秩Aでも、いや・・・
――かわいいって???










 
 言われたいダヒ!!!

ロベルタ05



以上です、専務。

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Subject:Re:[業務連絡] アタシかかし
To:matohazure
Fm:安達

ひゃ!

ていうかなんなの? 毎回。
このオチのパターン、来年はないからね。

安達