男気とは


ペッパーランチで、飛び散る油のことなど全く意に介さないことである。

なんなら、「肉の油よ、Tシャツにはじけ!」、「あわよくば7つはじいて、北斗七星の形とかに、なれ!」とばかりにノーガードなその姿に女性は惚れるのだという。

 

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ていうかよ、店員YO!そんな置き方されたら防ぎようがないじゃない。
あ、これって頓知?サービス頓知?わかった、座禅組んで頭に唾つけてポクポク・・・。っていらねえ!そんなサービス。こっちはアチチ!ですよ。紙を持ち上げた左手に油がダイレクトにかかってアチチですよ。ひと昔前のマンガのリアクションみたいなことになってましたからね。目が×印になったりして。とにかく、こういった嫌がらせは二度とやめてください。熱いから。

http://www.pepperlunch.com/

応援するなら金をくれ。


 最近、とあるCMを見るたびに釈然としない気分になる。

もっと言えば、気分が悪くなる。後から効いてくる感じで。ゲド戦記応援CMのことだ。アサヒ飲料、読売新聞がそれぞれ展開している。CM動画は用意できないが、WEBの特設サイト、またはニュースリリースが以下のリンク。

読売新聞(キャッシュ)
アサヒ飲料(キャッシュ)

 アニメ映画を「応援する」ってどういうこと?野球とかサッカーとかバレーボールを応援するなら分かるけど・・・え?スポーツ?ゲド戦記ってスポーツなの??と、小学生のような純粋な疑問を消化できずに、たくあんを掴む箸の動きが止まる。「ねえ!アニメってどうやって応援すんの??」と30過ぎて母を困らせてみたい衝動が襲ってくる。

 だけど、要するに、「お宅んとこの例の、ホラ、新しいアニメ、間違いなく大当たりしますやろ?いやいやいや分かってまんねん。いや、他でもないそれを見込んでお願いがあるんですわ。ちゅうのは、ウチのCMに使わしてもらいたいちゅうことなんですわ。いやいやいや、みなまで言わんとも分かってまんがな、アニメはようけゼニかかるっちゅうのは。せやから、・・・なんぼほど要りまんの?」ってことでしょ?

 飲み込みにくい。オブラート7枚で包んだ大人の事情くらい飲み込みにくいものはない。タイアップを否定するわけではなく、飲み込めないのは、それを「応援」と呼んでいることだ。「タイアップ」=「応援」という言い換えの、なんとも言えない気持ちの悪さ。それは、『高校球児最後の夏、母校の応援』・『生まれたての小鹿が足を震わせて立つ瞬間の応援』・『全財産を掛けた単勝一点買いの馬を応援』などといった、応援業界では押しも押されぬ、損得勘定抜きの「本気の応援」に対して失礼ではないだろうか?

 ちなみに、「どうやって応援するの?」と質問にどういう返答をするのか気になるので、これを読んだ小学生は、企業にメールを送るように。夏休みの自由課題としては、いいテーマだと思うので、ぜひチャレンジしてもらいたい。

 あと、こんなのもあった。

メリット(キャッシュ)

 シャンプーがアニメを応援て。コマーシャル情報→コラボレーションCMから動画も見られますん。

僕のふうせん。


 駅前で、うさぎのぬいぐるみに風船をもらった。
 ふつう、こういうのって、子供にあげるものじゃないのか。

 風船を手にして7メートル歩いたところで恥ずかしさに耐えられず、宝くじ売り場の前で手放した。風船は、丸井と雑居ビルの隙間をフラフラと上昇していった。空の青と風船の黄色の鮮やかなコントラスト。

 僕は、惚けたように口を半開きにしてその姿を追った。

「あららー」
 複雑な柄のスパッツを穿いたおばさんが言った。

「あー!ふうせんだ」
 革ジャンを着させられている幼児が指さした。

「行っちゃったねえ、風船」
 革ジャン幼児の母親がサンバイザー越し、眩しそうに見上げる。

 僕たちはしばらくの間、無言で風船の行方を追った。
 やがて風船は、夜空にまたたく星みたいに小さくなった。僕はなんだか、ありがたいような気分になったので、風船に向かって願い事をした。

 「ロト6が当たりますように」

 隣で聞いていた柄スパッツが言った。

 「アンタ、あんな中身すかすかのゴム野郎に言ったってダメよ」

 分かってる。そんなこと分かってる。と思いつつ革ジャン幼児を見ると、何故かホストみたいに片膝を立てて目を閉じ、両手を合わせてなにか願い事をしている。

 サンバイザーもしゃがんで手を合わせ、なにか呟いている。なんだか墓参りみたいになってきたので、僕はその場所を後にした。

 自販機の前で振り返ってみると、柄スパも背筋を伸ばして手を合わせているのが見えた。

 みんなの願い事が叶うといいなと思った。

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MOTTAINAI友の会


参考記事:「MOTTAINAI」について。

 「もったいない」ってよく聞くけどあれ、どうなんでしょう。いや、活動自体は素晴らしいんです。だから文句言うつもりなんかさらさらないですし。でもなあ・・・と思うんです。懸念してるんです。
 
 その前にですね、私の低感度アンテナでもキャッチ出来てますから必要ないでしょうけど、もったいないの活動について、上っ面で説明します。

 ケニア人女性のワンガリ・マータイさんが来日した時分に「もったいない」の意味を聞いて感激したと。『消費削減(Reduce)・再使用(Reuse)・資源再利用(Recycle)の3つの単語を、たったひとつの単語で表現できるなんて!』と。存在しないらしいんですね他の国には。「もったいない」に匹敵する単語が。で、のべつまくなし「MOTTAINAI、MOTTAINAI」って世界中に言いふらしてブレイクした。と、こんな具合です。

 確かにね、缶コーヒー1本でも袋に入れようとするでしょ、入れ込んでくるでしょ、コンビニの店の員は。弁当の容器だって捨てようとすると、やけにかさばるし。あと、1本1本袋に入った爪楊枝。どうかと思います。消費削減(Reduce)の視点から見ると。過剰包装はやめよう、って思いますよ。なにかにつけて動きに無駄が多い私でさえも思いますよ。

 それから、再使用(Reuse)・資源再利用(Recycle)の視点から考えると、風呂水を洗濯に使うのは言うに及ばず、スーパーのチラシを刻んでメモ帳にしたり、小さい石鹸同士をくっつけて1個にしてみたり、蛍光灯も小さい輪のやつだけ点灯するとか、ウェットティッシュは洗って乾燥させてノーマルティッシュとして使うとか。

 要するに「もったいない」イコール「みみっちい」なんです。『もったいないと、みみっちいは意味が違うよ。』なんて奇麗事言ってたら、この活動は成功しないんです。意味は違っても行為は同じ。そこをはっきり認めていかないとダメだと思うんです。食卓でホッケつつきながら、『セレブになりたいの。』なんて言ってるOLにも、その事実をはっきりと突きつけるべきなんです。

 これが、この活動の最大の問題点。「みみっちい」に耐えられない人間の弱点。私たちはひとつ上のステージへ行かなければならない。冒頭で「でもなあ…。」と呟いたのはそういうことなんです。

 この問題を解決する具体的な方法は、「MOTTAINAI」だけではなく「MIMICCHII」を並行して全世界に広めていくこと。私たちが好きな、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」に倣って、「みみっちい、みんなでやれば恥ずかしくない」を裏スローガンとして。

ビバ!みみっちい。

コンピューターおばあちゃん


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 いま、情報流出が熱い。

 その流出ペースは芸能人お宝写真を凌駕する。というほどに、まあー出るわ出るわ。コーラックの服用後ぐらいにこんもりと出ているようです。で、その理由というのが連日の報道にもある通り、その作者が逮捕されたことで有名な某ファイル交換ソフトが原因らしいのです。

 おかげで各地の県警、省庁、教育機関、企業などが上を下への大騒ぎ、右へ左への反復横飛び。という、どうしたらいいのか分からない状態になっちゃってる状態。だけどもこれは他人事ではありません。知らない間に自分自身の情報が広く流布しているかもしれないのです。ただひとつ私達に出来ることは、どこかの誰かが私の個人情報を流出してしまうことがありませんように。と両手を合わせて祈るのみ。

 さて、ここからが本題。
 私の友人が短期アルバイトでマイクロバスの送迎をしていた時のエピソードで、バスに乗車してきたご年配の方々が、「○○さん、やるなら専用パソコン買ってやらないとダメだよ。」と、例のソフトの話題で大いに盛り上がっていたというじゃないですか。

 あなおそろしや。専用パソコンを用いるとは紛れもなくヘビーユーザー。年寄りはゲートボールとか盆栽とか、縁側で番茶飲みつつ、たくあんかじって過ごしているんだとばかり思ってたけど、もう古い概念なんでしょうか。

 そもそも、このソフトを使うには多少のネットワークに関する知識が必要で、そうなると彼ら彼女らは、なんていうか、ハイテクじじい。もしくはハイテクばばあ。ついでにもしくは、「コンピューターおばあちゃん」だと言える。幼き日に聞いていたあの歌が、今まさに遂に現実のものとなったのだと、ひどく感慨深いような末恐ろしいような気分です。

※コンピューターおばあちゃん
 NHK「みんなのうた」にて1981年発表。
 編曲は坂本龍一。詳しくはここ

※追記
 Drgorillaさんのブログで映像を発見しました。ここ