冷めたらおいで


 
 とある場所で、「ほとぼりって一体なんのことなんですかね」という問いかけがあり、「ホットコーヒーが訛ったかなんかしたものです」と返信したのですが、この場を借りて少し補足したいと思います。

 上記において「訛ったかなんか」と濁したのは、有力な説として一般的に流布している”聞き間違い説”ではなく、個人的に”訛り説”のほうを支持しているからなのですが、つまり、こういう説です。

 ホットコーヒー —> ホットボディ —> ホトボリ

 コーヒーを飲んで体が温まった(ホットボディ)ものの、凍てつくような外気温で口がうまく回らず(ホトボリ)と訛ったのではないか。と、こんなふうに推測しています。ですから、「ほとぼりが冷めたらおいで」という言い回しは「ホットコーヒーが冷めたらおいで」と同義です。

 では、どれくらいの温度で「冷めた」と判断するのか。私の元にもしょっちゅう『何℃になったら大丈夫なのでしょうか?』などというメールが届きますが、これは、「冷め」の対象がホットコーヒーであるということに気が付けば答えは出たようなもので、ホットコーヒーとして美味しく味わえない温度ならば、それが「冷めた」状態なのです。ごく稀に『まだ冷めてないです、ぬるいです』などと反論される方もいらっしゃいますが、それを飲んで「美味しい」と感じるのですか? そうです、あなたの言うそれは、すでにホットコーヒーではないのです。

 つまり、あなたが誰に対してどんな失礼な、或いは、酷いことをしてしまったのか、それは敢えてお聞きしませんが、手元のホットコーヒーを口に含んでみて、飲み頃を過ぎていると感じたのなら、その方の所へ顔を出してもよいのではないでしょうか。目安ですか? そうですね、だいたい15分でしょうか。

 

カップラーメンはどこへゆく


 久々にカップラーメンを食べた。フタを半分まで剥がし袋を取り出す。4つ出た。かやく、粉末スープ、液体スープ、調味オイル。多すぎるよ、と思う。最近のカップラーメンはたいていこんな感じだ。知ってはいてもそう思う。お湯を注ぎ、待つ。4分だ。ということは、これはノンフライ麺か。

 待っている間に、メールのチェックをして、ヤフーのトピックスにざっと目を通し、RSSリーダーで登録ブログ更新の有無を確認をする。時間を無駄に出来ないビジネスマンさながらの手際だが、お湯を注ぐ直前にも全く同じ行為をしているのだった。この待ち時間の、上手な過ごし方が分からない。4分経過。フタを剥がして驚いた。

「もどる」ってどこに?

 デカい注意書きが。麺をほぐせ。ほぐしてからスープとオイルを入れろと書いてある。入れてからほぐしても変わらないような気がするも、ここは素直に従う。そして、液体スープと調味オイルの袋を見てまたもや驚く。

「もみ」かつ「ほぐせ」ってか

 工事現場? と勘違いするほどに注意の喚起力がキてる。注意枠の左右にギザギザの意匠が凝らしてあり、袋自体の上下にもギザギザが見て取れる。完璧なギザギザマジック。肝心の注意書きを見ると、「フタの上で温めた後よくもみほぐして」と書かれている。ほぐさせ過ぎ。我々にどれだけほぐさせる? そんで、ほぐし疲れて凝った肩は誰がほぐしてくれるの? そりゃウマいことのひとつも言いたくなるってものです。最初に断ってくれないでしょうか。「この製品は3回のほぐし行為を必要とします」とか。

 でもまあ、ほぐしました。ほぐしてから液体スープも調味オイルも入れました。でも、アレはコレの先、コレはアレの後、温めてほぐして入れてかき混ぜて。って、もの凄くめんどくさい。そんで味はそこそこって。なんなのこれ。

 そう考えるとカップラーメンの元祖、カップヌードルは偉い。お湯を注ぐだけ。そしてウマイ。とってもシンプル。今、カップラーメン界隈は間違った方向へ進んでる気がするのです。そしてこれからも、手順の煩雑さがエスカレートするのではないかと危惧しています。

 お湯を注いでから4分経過後、麺をほぐし液体スープと調味オイルを入れる作業を25秒以内に行い、その後、味の低下を防ぐため3分20秒以内に食べきってください。また、残りスープは洗濯には使用しないでください。

 最後のは言い過ぎましたけど、強ち「ない!」とは言い切れないめんどくささが、すでに今、あると思います。本格志向なんていらないんです。シンプルでウマい。そういうカップラーメンを作って欲しいんです。作ればいいんです。

こんなgoogleはイヤだ。


 みなさんも経験があると思いますが、googleで検索をすると単語の間違いを修正してくれることがあります。たとえば。

morisinichi

 そうなんです。正しくは「森進一」なんです。これはとても便利です。時折、ピントのずれた修正をしてきたりしてイラっとくることもありますが、将来的にはさらにインテリジェントな方向へ変化してゆくに違いありません。でも、やり過ぎは困ります。というわけで、

こんなgoogleはイヤだ。

■なんか連想ゲームだumi

これは、松尾スズキさん演出の舞台のセリフからパクリました。



■痛くもない腹を探ってくる
mikkai



■噂好きだ
uwasa



■鋭い
ecchi



■鋭い、そしてウザい
ecchi2



■家庭の医学の受け売り的な診断をしてくる
tounyou



■的を射た心配をしてくるがギャル口調だ
gal

 便利になるということは、つまり、生きづらくなるということです。たぶん。

宇宙飛行士の悩み


 
 アポロ13号の生還ストーリーをテレビで見た。
 酸素、電力、水を生成する酸素タンクの爆発により、乗員救出を優先すべく月面着陸を断念。乗員3人は独立した動力をもつ月面着陸船に乗り換えた。しかし、地球到着までに必要な酸素は積んでいない。やむなく生命維持の可能な最低限レベルまで動力を落とし、地上管制官の指令に従い、奇跡の生還を果たした。ざっくりと説明すればこんな感じである。

 逃げ場のない宇宙空間のトラブルにあって、冷静かつ的確な判断を下す宇宙飛行士の、その精神力は感服に値する。もし私だったら、宇宙空間に放り出されただけで発狂してしまうのではないか。丸一日と置かず「インターネットしたいよー」「動ナビの更新をチェックしたいよー」などと駄々をこねるのではないか。などと考えて、ふと疑問に思う。宇宙飛行士の性欲である。いや、笑いごとではない。実際、「宇宙飛行士 性欲」というキーワードを検索にかけると数万件ヒットする。そして実際の宇宙現場では、流血騒動を含む多種多様なトラブルが発生している事実を知ることが出来る。訓練された宇宙飛行士であっても性欲をコントロールするのは非常に困難なのだ。それは、シチュエーションは違えども、かの南極観測隊が「南極二号」と呼ばれるダッチワイフを装備に加えたという公知の事実からも推測できる。

***

 以下は、アポロ13号と同様のトラブルに遭遇した、スポロン13号船内の会話を書き起こしたものである。

・ポール(船長)
・フレッド(着陸船パイロット)
・ティム(司令船パイロット)

フレッド「船長、我々は、助かるのでしょうかう?」
ポール 「管制塔の指示を信じるしかないだろう」
フレッド「それは、そうですが」
ポール 「酸素が足りないんだ。無駄口を叩くな」
フレッド「うう、ジェニファ」
ポール 「ガールフレンドか」
フレッド「もう一度、抱きしめたいです」
ポール 「地球に帰ったら抱きしめるがいいさ、何度でもな」
フレッド「今じゃダメですか? 今すぐ抱きしめちゃダメですか??」
ポール 「気持ちは分かる。だけどいいか? ここは宇宙だ、落ち着け」

フレッド「実はいるんです、ここに、ホラ」
ポール 「フレッド、お前それ、なんだ!?」
フレッド「ジェニファです」
ティム 「OH! ダッチワイフじゃん」
ポール 「どこに隠してたオマエ!」
フレッド「愛してるんです」
ポール 「そういうことじゃなくて」
ティム 「すでに膨らませてあるしー」
フレッド「抱いて、いいですか?」
ポール 「情事のあいだ、どうしてりゃいいわけ? オレたち」
フレッド「目、閉じてて下さい」
ポール 「あ、そうかー、ってダメだ! 興奮すると酸素がなくなる」
フレッド「どうせ助からないんでしょう?」
ポール 「そんなことな・・・うっ」
ティム 「船長! どうしたんですか?」
ポール 「案の定、酸素が、足りなくなって、きてる・・・らしい」
ティム 「しっかりしてください! 船長!!!」

フレッド「あああ、もう、ちくしょう見てらんねえ!!!」
ティム 「どうしたんだフレッド?」
フレッド「礼を言うなら彼女に言うんだぞ」
ティム 「ああ! ジェニファの乳首にハサミが!」
ポール 「フレッド、・・・・・・お、オマエ」
フレッド「早く吸うんだ!」
ティム 「そうか! コイツには新鮮な酸素が詰まってるんだ」
フレッド「コイツじゃねえ、ジェニファと呼べ!」
ティム 「ご、ごめんなさいジェニファ」
ポール 「す、すまんな、フレッド」
フレッド「切り取った乳首部分から吸え。いいか? 変な気、起こすなよ」
ポール 「分かってる」
ティム 「お、おお、船長の顔色が良くなっていく! あ、そして・・・・・・」

フレッド「チンコ立ててんじゃねえよ、テメエ!!!」
ポール 「す、すまん、つい」
ティム 「(爆笑)」
フレッド「あーもーやってらんねえ」
ポール 「まあまあフレッド、興奮するんじゃない、パフパフ!」
ティム 「カメセンニン!(お腹を抱えて爆笑)」
フレッド「ポール! テメエが一番興奮してんじゃねえか!」
ティム 「(笑いすぎて呼吸できてない)」
フレッド「野郎、興に乗りやがって、ジェニファから離れろ!」
ポール 「もうちょっとだけいいじゃんか」
フレッド「ティム、オマエも笑ってないでなんとかしろ!」
ティム 「ティムじゃないデス、”ティム・ヨンジャ”デス」
フレッド「ぜんぜん関係ねえこと言うんじゃねえ!」
ティム 「(呼吸困難になりながら引き続き爆笑)」
フレッド「あーもーオレたち絶対地球ムリじゃん(絶望に白目をむいて)」
ポール 「パフパフ(気持ちの良さに白目をむいて)」
ティム 「(笑いすぎの酸素不足で白目をむいて)」

管制塔 「スポロン13号、応答願います、スポロン13号、応答願います」

ポール・フレッド・ティム 「(白目)」

***

 はー、なんていうか、極端に疲れてると思考回路が著しく低年齢化して困ります。

 

イブの夜には邪悪が増える


 
 はい、クリスマスの話題です。
 この時期になると、頼んでもないのに「クリスマスだけどオレはヒマでまいっちゃう」みたいな自虐的記事が急増しましすけどそういうのって正直、読んでてツライじゃないですか。だから自分も去年は触れずに過ごしたんですが、「アイツ本当はヒマなのに、さも忙しいフリして記事書かねえのな」ていう暗黙の意見がどしどし伝わってきたんですね、テレパシー的なもので。ええー!? 書いても書かなくても惨めに思われるの? じゃあ書いたほうがいいじゃん。ということで書きます。

 
ヌギャアー!!!

nekobanana01

 捕えました。あくびの決定的瞬間。ちょっと開きすぎじゃない? てな感じもしますけど、とにかく見事な開きっぷり。この見事な瞬間を狙って、なにか挟んでやりたくなりませんか?

 

 

  
nekobanana02

 たとえばこんな感じに。
 口閉じたらどういうリアクションすんのかなあ、あははー。ていうか、取って付けたようなバナナ画像ですみません。皮を剥いたバナナをgoogleで画像検索したんですけど、これが全っ然見つかんないの。やっとこ探し出したんですけど、あ、皮を剥いたバナナっていってもアレの暗喩じゃないですから。そういうツッコミをされると困りますし、耳たぶまで真っ赤になりますのでやめてくださいハラスメントはよしてください。

 今日とか明日とか、いい感じの店でいい感じにムラムラきてる向かい合わせのアベックのテーブルに、剥いたバナナとか置いたら気まずいんだろうなあ。あと、畑から抜いてきたばっかしの土まみれの大根とか置いてみるってのも意味分かんなくて面白そうだなあ。そういう嫌がらせをね、もの凄くしたいよ今。オレね、世界には幸せの絶対量ってのがあると思ってんの。だからアベック達の幸せグラフが右肩上がりになればなるほど、不幸な思いをする人が増えてくの、てことは邪悪が増えるわな。邪悪な面が浮き彫りになるわな。だからオレは今、邪悪だYO! 世間は3連休だなんてウキウキピカピカしてるけどこっちは1連休ですからね。連ていうか単ですから。単休。

 なんかテンションがおかしいことになってきたのでこの辺で。メリークリスマス!